ここ数年、ドル建て保険をはじめとする外貨建て保険についてのお問い合わせを受けることが増えています。
保障内容に加え、外貨建て保険の投資性に注目をされている方が多いようですが、具体的に加入を検討される前に、メリットとデメリットについて理解しておく必要があります。
この記事では、ドル建て保険のメリット・デメリットについて解説します。併せて、近年ドル建て保険が注目されている理由についてご説明いたします。
ドル建て保険が注目されている理由
ドル建て保険が注目されている最も大きな理由は、投資性にあります。
2024年3月現在日本はほぼ0%と低金利政策をとっており、普通預金への貯蓄では資産を増やすことができません。
一方、ドルの金利は日本よりも高いので、高い利回りが期待できるためです。
ただ、このような投資性が注目されている一方、保険のプロとしては、円建て保険と比較した場合のドル建て保険の最大のメリットは別のところにあると考えています。
ドル建て保険の最大のメリットは、予定利率が同じ保障内容の円建ての保険と比較した場合に高いため、死亡保障に対して掛け金が安く抑えられる、という点にあります。
投資性というと、解約返戻金と掛け金との対比の文脈で多くの場合語られますが、保険の最重要機能は保障性です。
そのことをよく理解して、加入を検討しましょう。
ドル建て保険に加入するメリット
それでは、ドル建て保険に加入すると、他にはどのようなメリットを享受することができるのでしょうか。
ここでは、代表的なメリットを4点ご紹介します。
保険料が割安になる
はじめに、ドル建て保険をはじめとする外貨建て保険の保険料は、同じ保障内容の円建て保険と比較すると割安になるというメリットがあります。
2024年3月現在、ドル建て保険の方が、円建て保険よりも予定利率が高いため、保険料は割安です。
予定利率とは、生命保険会社が契約者に約束する運用利回りのことで、予定利率が高いほど、運用収益を見込めることから、保険料は安く設定されます。
為替差益を得られる可能性がある
次に、ドル建て保険の場合、保険金を受け取る際に、為替差益を得られる可能性があります。
保険金や解約返戻金を日本円に換金して受け取る際、契約時よりも円高ドル安であれば受け取れる金額が少なく、円安ドル高に進んでいれば受け取れる金額は多くなります。
リスク分散ができる
資産のリスク分散をすることができるのも、ドル建て保険のメリットのひとつです。
円安になると、円の資産は目減りしてしまいますが、ドル建て保険をはじめとする外貨建てで購入した金融商品の資産価格は上昇するので、分散投資の効果が働き、運用のリスクを抑える効果が期待できます。
生命保険料控除を受けられる
最後に、他の円建ての保険と同様に、ドル建て保険も生命保険料控除の対象となります。
生命保険料控除を受ければ、1年間で払い込んだ保険料に応じて一定額が控除されるため、所得税や住民税の負担を軽減することができます。
ドル建て保険に加入するデメリット
ここまでドル建て保険のメリットについてご紹介しましたが、併せてデメリットについてもお伝えいたします。
元本の保証がない
まず、デメリットとして挙げられるのは、円をドルに換算した場合の元本が保証されていない点です。
ドル建ての保険の場合、ドルでの保険金の元本は保証されていますが、円で換算して受け取る際には、受け取るときの為替レートの影響を受けて、受け取れる金額が増減します。
ただし、支払われる保険料をドルのまま受け取り、旅行や留学の費用に充てるのであれば、為替の影響を受けることはありません。
為替の手数料がかかる
次に、円からドル、ドルから円への両替時に毎回為替手数料が発生することもデメリットといえます。
保険の商品にもよりますが、両替の手数料以外にも、保険関係費や解約控除など、円建ての保険と比較するとドル建ての保険は、差し引かれる手数料が多い傾向にあります。
早期の解約では損をする場合がある
最後に、ドル建ての保険を短期間で解約すると、受け取れる解約返戻金が支払った保険料を大きく下回ってしまうことや、解約返戻金自体が受け取れない商品がある点にも注意しましょう。
これは円建ての保険にも当てはまりますが、保険商品は長期間の加入によってメリットが享受できるよう、設計されています。加入する前に継続して保険金を支払うことができるか、十分に検討することが重要です。
まとめ:ドル建て保険に加入する前に、メリットとデメリットを理解しよう
以上、この記事では、ドル建て保険のメリットとデメリットについて解説しました。
メリットだけではなく、デメリットについてもあらかじめ理解しておくことで、後悔の少ない保険選びをすることができます。
「せいほの窓口」では、FPと宅建資格を所持する生命保険のプロがおひとりおひとりのライフプランを丁寧にヒアリングし、ドル建て保険に対する不安や疑問を解消するお手伝いをさせていただきます。
ぜひ、お気軽にご相談ください。既に保険にご加入されているお客様のご相談も大歓迎です。