ドル建て保険にご加入されている方のなかには、為替差益を見込んで、解約を検討されている方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げると、一時的な為替相場のトレンドだけで、早期に解約を決めることはおすすめできません。
この記事では、ドル建て保険を解約するタイミングはいつが適当なのか、解約する前にチェックすべきポイントについて解説します。
ドル建ての保険の仕組みとは?
まず、ドル建ての保険の仕組みについて、いまいちど確認していきましょう。
ここでは、ドル建て保険のなかでも、終身保険と養老保険という貯蓄型の保険商品に絞って、その仕組みを見ていきます。
為替レートの影響を受ける
まず、ドル建て保険はドルで保険料を支払い、保険金・解約返戻金もドルで受け取ることができる保険です。
ドル建て保険では、円での払い込み保険料や円での保険金の受け取りの際、そのときの為替レートの影響を受けます。
毎回支払う保険料の支払金額が変動する
保険会社は、実際には円で支払われた保険料をドルに替えて、運用します。
前述したように、保険料は為替レートの影響を受けるので、為替相場が円安ドル高であれば、支払う保険料は高くなり、反対に円高ドル安であれば安くなります。
解約返戻金も為替相場の影響を受ける
支払う保険料や支払われる保険金と同様に、早期で解約した場合の解約返戻金も為替相場の影響を受けます。
保険金や解約返戻金を日本円に換金して受け取る際、契約時よりも円高ドル安であれば受け取れる金額が少なく、円安ドル高に進んでいれば受け取れる金額は多くなります。
ドル建て保険は円安・円高どちらのときに解約すべきか
ドル建て保険は円安・円高どちらの場合に解約すべきなのでしょうか。
まず、円安時に解約すると、為替差益が発生するので解約返戻金の金額は増加します。
具体的には、解約返戻金が3万ドルだった場合、1ドル100円のときに解約すれば300万円ですが、円安が進行し、1ドル120円になっていれば、解約返戻金は360万円に増加します。
一方で、払い込む保険料に着目すると、円安が進むほど保険料は高くなるので、負担が重いと感じるかもしれません。
前提として、円建てでもドル建てでも、保険商品は長期間加入した方が恩恵を受けやすいように設計がされています。
一時の為替相場の動きで、解約を判断するのではなく、ドル建て保険に加入した目的に立ち返って、解約時期について検討することが重要です。
ドル建て保険を解約する前にチェックすべきポイント
それでは、以上を踏まえて、ドル建て保険を解約する前にどのような点に気をつければよいのでしょうか。チェックポイントを3点ご紹介します。
保障がなくなってしまう点に注意
まず、ドル建て保険に限らず、保険を解約すると保障も失ってしまう点に注意が必要です。
ドル建て保険は、万が一の保障を目的とした場合、円建ての保険や他の金融商品よりも支払った保険料に対して得られる保障が大きいというメリットがあります。
資産形成の観点だけではなく、保障を失うことによる影響についてもあらかじめよく検討しましょう。
早期に解約する場合は、手数料・諸費用を確認
次に、早期に解約する場合、手数料と諸費用が受け取れる保険金からどの程度差し引かれるのか確認をしておきましょう。
ドル建て保険は、円建ての保険よりも予定利率が高いというメリットがある一方で、両替の手数料以外にも差し引かれる手数料が多い傾向にあります。
特に、契約してから10年以内に解約する場合には、多くの保険商品では解約控除費用がかかるので、注意が必要です。
解約返戻金の利益分には税金がかかる点に注意
最後に、ドル建て・円建てに関わらず、解約返戻金によって、利益が生じた場合には所得税の課税対象となる点についても留意しておきましょう。
課税されるのは、解約返戻金から自分の支払った保険料の総額を引いた差額になります。
解約返戻金を一括で受け取る場合には一時所得、年金形式で受け取る場合は雑所得となります。
ドルで解約返戻金を受け取った場合にも、円に換算された金額をもとに、申告額や納税額が決定します。
まとめ:ドル建て保険を解約する前に、プロに相談しよう
以上、この記事ではドル建て保険を解約するタイミングはいつが適当なのか、解約する前にチェックすべきポイントについて解説しました。
一時の為替相場ではなく、保険に加入した目的に立ち返って、解約のタイミングを検討しましょう。
「せいほの窓口」では、FPと宅建資格を所持する生命保険のプロがおひとりおひとりのライフプランを丁寧にヒアリングし、ドル建て保険への解約のタイミングも含めて最適なご提案をさせていただきます。
円安の今、ドル建て保険を解約すべきかどうか、悩んでいらっしゃる方は、ぜひ、お気軽に無料相談予約よりご相談ください。