ウェブ上では、「ドル建て保険」に関して、様々な評判が飛び交っており、なかにはネガティブな内容のものもあります。
この記事では、ドル建て保険に加入するのはやめたほうがいいのか、もしそうだとするとどのような理由なのかを丁寧に解説します。
併せて、加入する前のチェックポイントについてもご紹介します。
ドル建ての保険の特徴とは?
まず、ドル建ての保険が円建ての保険と異なる点はどのような点なのかを見ていきます。
ドル建て保険の代表的な特徴は以下の3点です。
通貨はドル
ドル建ての保険は、保険料の支払いから保険金・年金・解約返戻金の受け取りまで、すべてドルで行うという点が最大の特徴です。多くの保険商品では、保険料の支払いや保険金・解約返戻金の受け取りに日本円を選択できます(為替の影響を受けます)。
ドル建て保険は以前より存在していましたが、2016年に日銀によって、マイナス金利政策が導入され、日本が超低金利時代に突入したことが、注目されるきっかけとなりました。
為替レートの影響を受ける
つぎに、支払う保険料と受け取る金額が為替レートの影響を受けるという点が挙げられます。
円建てであれば、毎月一定の保険料を支払い、受け取る金額が大きく変わることはありません。一方、ドル建ての保険の場合、円安であれば保険料は高くなり、逆に円高であれば保険料は安くなるなど、常に為替レートの影響を受けて、価値が増減します。
手数料がかかる
最後に、ドル建ての保険の場合、円からドルへ、ドルから円へ両替する際に為替の手数料が発生するという特徴があります。
保険の商品によりますが、両替の手数料以外にも、保険関係費や解約控除など、円建ての保険と比較して、差し引かれる手数料が多い傾向にあります。
ドル建て保険はやめたほうがいいのか?
上記のように、ドル建て保険は円建て保険とは異なる特徴をもっているだけに、契約者が加入時に契約内容をよく理解できていなかったり、販売側の説明が十分でなかったりすることによって、トラブルが起きやすい商品であるといえます。
少々前のデータになりますが、2019年には、ドル建て保険を含む外貨建て保険に関する年間の苦情が前年比110%増の約2,800件に届く、というデータもあります。
一方、 独立行政法人国民生活センターの調査から苦情を申し立てている方の多くが、70歳以上の高齢者であるということもわかっており、ドル建て保険を含む外貨建て保険の商品性やリスクが正しく理解されていないことが、トラブルにつながっていると考えることができます。
ドル建て保険に加入する前にチェックするポイント3点
それでは、以上を踏まえて、加入する前にどのような点をチェックすればよいのでしょうか。チェックポイントを3点ご紹介します。
目的に合っているか
ドル建て保険に加入する前に、保険に加入する目的やそれによって得られる効果を明確にしておきましょう。
ドル建て保険は、あくまでも生命保険としての本来的な役割である万が一の保障を目的とした場合、円建ての保険や他の金融商品よりも支払った保険料に対して得られる保障が大きいです。
解約返戻金を目的とした加入の場合は、他の金融商品も併せて検討することをおすすめします。保険を通して、ドル資産を持つということを目的とした方もいます。
商品のリスクについてよく理解しているか
次に、ドル建ての保険の商品の特性である、為替リスクについてよく理解しているか確認しましょう。
外貨建ての保険商品は預貯金とは異なり、為替リスクが伴うため、円で換算した際の元本は保証されていません。
円建て保険よりも予定利率が高く、より良い運用成果を期待できる反面、為替の影響を直接受けやすい商品性を理解しておくことが大切です。
自分の性格に合っているか
最後に、ドル建て保険の特性とご自身の性格が合っているかを確認しましょう。
ドル建て保険の特性とご自身の目的が合致しやすいのは、以下のようなタイプの方です。
・為替に対するリスクを許容できる人
・資産運用のひとつとして保険を活用したい人
ドル建て保険に加入する前には、為替に対するリスクを許容できるか、資産運用のひとつとしてドル建て保険を検討しているかをいまいちど確認すると、加入した後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ:ドル建て保険に加入する前に、プロに相談しよう
以上、この記事では、ドル建て保険に加入するのはやめたほうがいいのか、加入する前のチェックポイントと併せてお伝えしました。
ドル建て保険という商品の特性とリスクを正しく理解すれば、円建ての保険と同じように検討することが可能です。
「せいほの窓口」では、FPと宅建資格を所持する生命保険のプロがおひとりおひとりのライフプランを丁寧にヒアリングし、ドル建て保険への加入も含めて最適なご提案をさせていただきます。
ドル建て保険について、興味はあるけれど疑問や不安をお持ちでしたら、ぜひ、お気軽に無料相談予約よりご相談ください。