4月19日の夕方のニュースで、生命保険協会会長が「外貨建て一時払い保険」の販売に関する方針を見直す、という発言をしたことが大きく取り上げられていました。
以前に、別記事「ドル建て保険は苦情が多いって本当?ドル建て保険で誤解されやすいポイントを解説!加入前に確認しよう」でも取り上げたように、ドル建て保険は、その特性上、契約者が加入時に契約内容をよく理解できていなかったり、販売側の説明が十分でなかったりすることによって、トラブルが起きやすい商品であるといえます。
この記事では、業界13年目の立場から、このニュースに対する私見を述べたいと思います。
まずはニュースを簡単に解説:外貨建て一時払い保険の何が問題なのか
まずは、今回のニュースについて簡単に解説します。
「外貨建て一時払い保険」とは、保険金や年金の支払いを米ドルや豪ドルなどで行う貯蓄性の高い保険で、契約時に保険料を一括で支払います。円建ての保険と比較して予定利率が高く、円安が進行している現在のトレンドも手伝って、投資を目的として加入される方が多いという特徴があります。
今回、生命保険協会会長が「外貨建て一時払い保険」の販売に関する方針を見直す、と発言したのは、金融機関や生命保険会社各社が、顧客本位ではなく、契約時の高額な手数料を目的に、顧客に短期解約や乗換をすすめているという実態があり、金融庁がこれを問題視しているためです。
「外貨建て一時払い保険」では、通常数十年に分けて払い込む、数百万円から数千万円の保険料を1度に支払うので、1度に多額のお金が必要になります。一般的に、20代や30代の若い世代の方に多額の貯金があるとは考えにくいので、結果としてリタイアされた60代や70代の方におすすめする機会も多くあります。多くの場合は、高齢者の方への商品の特性やリスクに関する説明の不足が、クレームや苦情につながっているものと考えます。
一方で、短期解約や乗換が、顧客のニーズに沿うものである場合もあります。実際に投資の知識やご経験が豊富な方の中には、戦略的に「外貨建て一時払い保険」を短期で解約し、同時に同じ商品を契約したり、他の商品に乗り換えることで為替利益を得ている方もいらっしゃいます。
つまるところ、保険の加入の目的を何に置くか、という点に尽きるのではないかと、私自身は考えています。
お客様に伝えたいこと:ご自身に合ったプランナーに出会うためには
このように考えると、お客様の人生を伴走するプランナーの存在は、非常に重要です。
保険は形のない商品ですので、プランナーの人格や価値観、倫理観が直接ご提案の内容に影響します。
このニュースを受けて、業界13年目の私がどんなメッセージをお客様に発信できるのかを考え、ご自身に合ったプランナーとどのようにして出会えるのか、そのヒントについて発信することにしました。
私が考える、ご自身に合ったプランナーに出会うための条件は2つあります。
10年以上のキャリアがあるプランナーの話を聞く
私は今年で業界に入って13年目になりますが、長く続けていられるということは品質の証明でもある、と考えます。
正しい姿勢でお客様と真摯に向き合っていなければ、早々にマーケットから淘汰されているからです。
ですので、保険を契約するか否かは置いておいて、セカンドオピニオンとしてでも、10年以上のキャリアを持つプランナーの話を1度聞いてみてください。
もちろん、私がこのように長く続けてこられたのも、自身が2~3年目のひよっこの頃に信用してくださったお客様のおかげですし、知識も実績も十分ではなかった自分の熱意に信頼を寄せてくださったことを本当に感謝しています。ただ、業界経験が長くなってふと振り返ってみると、「あの頃はまだまだだったな」という気持ちになるのも事実です。
保険観・人生観・理念に共感できるプランナーの話を聞く
私自身は入社して2年目ぐらいから、保険をお客様にご提案するプランナーという仕事をどう解釈して、どう定義づけるかをお客様にきちんとお伝えすることを自分に課していました。
まず、プランナーの保険という仕事に対する考え方や、人生観、価値観、大切にしている信念や理念について、聞いてみてください。
ニュースで取り上げられているような不正販売もあるなかで、どんな志をもってプランナーの仕事をしているのかをお客様から尋ねることも、ご自身に合うプランナーと出会ううえで、重要な視点であると考えます。
まとめ:プランナーはお客様にとって「1番近い他人」
私はよく、プランナーはお客様にとって、「1番近い他人」とお話させていただいております。
保険の加入の目的を何に置くかは、お客様の置かれている経済状況や価値観、ご心配事などによって様々です。お客様とお話していると、出自や家族関係、時には誰にも話したことがないような悩みまで打ち明けていただけることがあります。そうしたお客様とのやり取りのひとつひとつのなかに、ご提案のヒントが詰まっているのです。
この記事を読んでくださったおひとりおひとりが、ご自身に合った保険のプランナーに出会えることを願っています。また、業界にひとりでも多く、お客様を幸せにすることができるプランナーが増えるよう、私自身も微力ながら、日々努力を重ねていく所存です。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。